カテゴリー
シルクスクリーン

シルクスクリーン印刷でセレクトショップさながらのオリジナルTシャツを自宅で作ってみよう【製版サービス始めます】

今年もTシャツの似合う季節がやってきましたね。私にとってはオリジナルTシャツが作りたくてウズウズする季節でもあります。
今回は、近々展開する予定のシルクスクリーン製版サービスのアイテムも交えてオリジナルTシャツの作り方をご紹介します。

まずは無地のTシャツを購入しましょう。個人的にはGUがおすすめです。無地のものが多く素材もそこそこ、サイズも豊富で何よりお財布にも優しい。

アトリエではフレーム(大)とフレーム(小)の2サイズで製版させていただきます。
最大製版サイズはフレーム(大)がほぼA4、フレーム(小)がハガキより少し縦に長い大きさです。プリントしたい図案のサイズに合わせてご選択くださいね。ちなみにスクリーンのメッシュは120です。

ここからは3つのパターンで実用例を載せます。よろしければ、ご参考までにどうぞ。

  1. フレーム(大)1色刷りの場合
  2. フレーム(小)2色刷りの場合
  3. フレーム(大)2枚使い・2色刷りの場合

  • フレーム(大)1色刷りの場合

製版します。ご注文いただいた皆さまにはこちらをフレームごとお届けします。

Tシャツの中にスチレンボードを入れてスプレーのりで軽く定着させます。失敗軽減のための大事な作業です。できるだけ丁寧に。

原画をTシャツに乗せ、刷りたい場所を決めましょう。

原画に合わせてフレームを置き、フレームの角などにマスキングテープで印を付けましょう。印を付けたら原画は除いてくださいね。

インクを作ります。バッグや帽子の色に合わせて作ってみるのも楽しいですよ。

………………………………………………
使用インク(左から)
・ターナー 布えのぐ ブルー/ブラウン/イエロー
・(レトロ印刷)JAM 布用ラバーインク ホワイト
・ターナー 布えのぐ専用 シルクスクリーンメディウム
・RISO 水性インク ホワイト

版の抜けてないところにインクを置き、スキージ(刷るための道具)の均等に力をかけながら一気に刷ります。途中でスキージを止めないように気を付けましょう。

フレームをそっと持ち上げて〜。こんな感じに刷れました。ちょっとムラができましたが、それもまた味わいがあって素敵。

Tシャツ2枚目を違う色で刷りたい時は、インクが乾く前に版を素早く洗っておきましょう。
………………………………………………
使用インク←2枚目のTシャツ
・(レトロ印刷)JAM SURIMACCA ブラック

  • フレーム(小)2色刷りの場合

原画がこんな感じ(図左)で2色で刷るつもりなので、製版可能サイズに合わせて無駄のない版を作りました。

先に手の部分を刷るので、英語の部分はマスキングテープで隠します。先ほどのように刷りたい場所を決めて、フレームを置くのに分かりやすいよう印を付けて~。

黒インクを一気に刷ります。このフレームサイズだと100均のキッチンコーナーにあるシリコンスクレーパーがスキージの代用品として便利に使っていただけます。

版を洗って乾かしてる間に金色インクを準備します。
………………………………………………
使用インク
・premiumT プラスティ アクリル樹脂ベースバインダー ゴールド
・premiumT プラスティフィクサーフレームFE(架橋剤)

手の部分とフレームを置く位置が変わったので、マステの印を英語部分に合わせて移動させます。

金色入りました。ウッホ。細かい上品なラメ感で今まで使った金色の中でも一番好きなタイプでした。ただ目詰まりはしてしまうので、2回刷ったら版を洗うようした方がいいです。インクが乾く前に洗うとまた使えます。

洗うのも刷るのも手軽にできるので、シルクスクリーンプリント初心者の方はこのこちらのフレーム(小)サイズから始められることをおすすめします。

  • フレーム(大)2枚使い・2色刷りの場合

プリントしたい原画が大きかったのでフレーム(大)を2枚使ってプリントします。版は字体部分とイラスト部分に分け、2色目の部分もそれぞれの版に入れました。

フレームの角にマステで印を付けて、2色目(ピンクを入れる箇所)部分をマスキングし、まずは字体部分、続けてイラスト部分と版を替えて黒インクを刷りました。

黒インクを乾かして間に版を洗い、2色目を刷る準備をします。
………………………………………………
使用インク
・premiumT 太陽光(紫外線)に反応プラスティゾル特殊インク UVC Red

前から気になってた紫外線で色が変わるインクを使いました。屋内ではほぼ無色なのに屋外だとピンクに変色しました。紫外線を浴びるほどにピンクの濃さが増します。感動〜。

ただテクスチャはこってり、油分がありマーガリンのようなので何枚か刷った後また版を洗って再利用は難しいかと思います。

ついでに前回の浴衣に蓄光インクを刷る回で作った版を使って日傘パーツにも刷りました。

ちなみにスキージ(刷るための道具)ですが、100均のお掃除コーナーにあるスキージーまたはスクイージーや先ほどもご紹介したキッチンコーナーにあるスクレーパーが適しています。 版の大きさに合わせて探してみてくださいね。

以上、手軽に気ままに自宅でできるシルクスクリーン印刷のご紹介でした。
原画・元データの作り方がよく分からない場合はこちらからお気軽にご相談ください。

※製版サービスページはただいま準備中です。この夏が終わるまでには開設予定です!

カテゴリー
シルクスクリーン

オリジナル浴衣に蓄光インクでシルクスクリーンプリントしてみよう

今回は前々からやったら面白いと思ってたけどアイデア止まりだったことをやっちゃうシリーズ。浴衣に蓄光インクを使って図案をプリントします。

蓄光インクとは、明るい時間に光を蓄えて暗闇になったら発光するインクです。身近では子ども用の光るパジャマなんてものがありますよね。アレです。

という訳で、浴衣作りました。海外ブランドのようなおしゃれな生地ですね。どこのものかは後ほどご紹介します。

蓄光インクは色材ショップ植田屋さんのLUMICK COLOR(ルミックカラー) 繊維用蓄光インク/高輝度スカイブルー発光を使いました。

開けてみるとほんのり黄色っぽいインクカラー。これが発光してスカイブルーになるなんて不思議ですね。固くもゆるくもないシルクスクリーンプリントにちょうど良いタイプのテクスチャです。

波紋をイメージした図案をマイスクリーンa4(MiScreen a4)でデジタル製版しました。

刷りやすくするのとインクの裏写りを防ぐために浴衣の中に厚紙を入れスプレーのりで軽く定着させました。

刷りたい場所の見当をつけ、さきほどの版を置いて刷っていきます。
表面8ヶ所ほどプリントしましたが、その間目詰まりすることもなく続けて刷れました。乾かしてから裏面も刷りました。

さてさてどんな発光具合なんでしょうか。

昼間段ボールを置いて隙間から撮影したもの(写真左)夜間に電気を消してiPhoneで撮ったもの(写真右)です。めっちゃ光ってる!!ウッホウッホ!

薄暗くなってきた夏祭りで大注目間違いなしですね。今年こそは夏祭り決行されるかな〜。決行されたときはその様子また追記しますね。

浴衣に合わせた小物も作りました。浴衣の作り方は『グラフィック社 ミシンで着物 綿・麻・ゆかた』を参考に。浴衣作り初心者でも分かりやすく作業がスムーズでした。

オリジナルテキスタイルのサイト

生地はアトリエ伝書鳩のプロデュースするテキスタイルブランドomsb4の「yo-yo-dance」を使いました。素材は、Petal Signature Cotton。6 yardsで浴衣が1着作れます。
https://www.spoonflower.com/profiles/omsb4

★他にもシルクスクリーンのお話はこちらからどうぞ。

カテゴリー
シルクスクリーン

シルクスクリーン印刷でガラス扉やショーウィンドウにロゴをプリントしてみよう

事務所を借りてから早一年が過ぎました。ずーっと後回しにしてた題名通りのことをやります。

まずはインク選びから。どちらもシルクスクリーン印刷用の白インクですが対象物が違っていて。

水性インクとアクリル用インク

A.RISO 水性インク←布向き
B.EUROPORT もの用インク Silky Jam(シルキージャム)←紙・アクリル向き

なのです。試しにアクリル板に使い古した版を使って刷ってみましょう。

版がクタクタだったので変な刷り方。…すみません。質感はというとA.はさらりと水性絵の具のような印象。B.はべっとりとゴムっぽい感じ。
どちらも刷りたてはベタベタするので一日置きました。

ちなみにB.を使ったあと版は目詰まりし、お陀仏となりました。トホホ。

で、乾いてからですが、A.のものは爪でカリカリすると取れちゃう感じ。力を入れて水拭きすると完全に取れます。水性ですからね。
続いて、B.は爪でカリカリしても取れません。水拭きでも取れません。シンナーだと取れました。

本来ならば、窓ガラスが対象なのでB.を採用するべきなんでしょうが、賃貸事務所ということと一発で版がダメになる衝撃と失敗へのビビりからA.を採用することにしました。

とはいえ、雨が降ったら流れてしまうので扉の内側から刷ることにします。

内側からなので反転させたロゴをシルクスクリーン用デジタル製版機の『Mi Screen a4(マイスクリーンa4)』で出力します。

刷りたい位置をあらかじめ確認。同じサイズのロゴを仮止めしました。

インクを置いて〜。あーー。垂れてきた。

一気にシャシャーっと。

なかなかきれいに刷れました。
実は一回失敗して二回目です。水性インクの方で良かった〜。版もすばやく洗えば元通り。水拭きできれいに取れるので、イベントの装飾にも良いかも知れませんね。

出力のご依頼はメールより受け付けております。質問などもお気軽にどうぞ。

あと余談ですが、今回使った版は前回 オリジナルワッペンを作る回 で使った版の余った部分を利用しました。
つまり『Mi Screen a4(マイスクリーンa4)』の版用シートだと、抜けてない部分ならば出力し直せて使えるのです。
無駄がないのはもちろん、ちょっとしたのをすぐ刷りたい時にはめっちゃ便利なのです。

★他にもシルクスクリーンのお話はこちらからどうぞ。

カテゴリー
シルクスクリーン

マイスクリーンa4でチームTシャツを作ろう

今回は題名の通りチームTシャツを作ります!

なぜこの時期にTシャツ?なのかって言うとちょっとした理由があるのですよ。

アパレル店内には秋冬商品がずらりと並ぶ今日この頃。片隅に追いやられた在庫処分待ちのTシャツ。それと、この春夏一度も袖を通さなかった服。

それらにオリジナルのプリントを施して、お気に入りの一枚にリボーンさせるという考えあってのことです。単純に売れ残りのTシャツめっちゃ安いってこともありますが。

とにかく私なりにサステナブルな暮らしを楽しみながら実践してる訳なのです。

では、作っていきましょう。

デザインはこんな感じ。

アトリエ伝書鳩なので“A.DENSHOBATO”と表記したかったのですが、どうも長すぎて収まりが悪いのでちょっと略しました。

調べると英語でdenは”巣穴“、中国語でbtは“変態“という意味があるらしいのですが、近いもんがあるのでヨシとしましょう。

5色刷りなので、5版に分けます。

優秀なシルクスクリーン製版機のMi Screen a4(マイスクリーン エーフォー)で版を出力。ギュイーーーン。

Tシャツの間に厚紙またはスチレンボードを入れて、スプレーのりで定着。(←刷りやすくするのと裏移りを防止するため)

刷りたい位置を確認してマスキングテープで見当をつけます。

1色目刷りました。ウッホ。

2色目刷りました。ウッホウッホ。

3色目、4色目刷り重ねましたよ。

インクに蛍光色を混ぜたのでアウトドアグッズのような雰囲気になりました。

5色目でフィニッシュ!

想像以上にズレまくってますが、そこがたまらなく愛おしい。

やっぱりTシャツはシルクスクリーン印刷に限りますね。生地に馴染んで通気性もいいし、何よりおしゃれ。

さらにチームTシャツでチームの一体感も一層高まること間違いなし。「エーーッ。お揃とかないわ〜。」とか言わせねぇーぞ。

分かったこと
・GUのSHELTECH(シェルテック)Tシャツが刷りやすい。

▶︎他、シルクスクリーン印刷についての記事は こちら からどうぞ

カテゴリー
シルクスクリーン

Mi Screenで Let’s シルクスクリーン印刷

ここ最近で「長生きしてて良かった〜。」って、本気で思ったことNo.1は、デジタル製版機のMi Screen a4(マイスクリーン エーフォー)が販売されたことです。
そんなに?いや、過言ではありません。印刷好きにとっては、待ちに待った商品なのです。

この度、アトリエ開設を機に購入することとなりましたので、その使用感のほどをご紹介します。
まず、こちらどんな商品かといいますと、シルクスクリーン印刷用の製版ができるプリンターです。

シルクスクリーン印刷とは、シルク(絹)を張ったスクリーンを通して印刷する技法です。
現代では、シルクの代わりにテトロンやナイロンの布を使用するので『スクリーンプリント』とも呼ばれています。
marimekkoの生地や市販のTシャツもほとんどがこの技法です。

一時期はその魅力にどっぷりはまり、シルクスクリーン印刷のできる工房に通いまくっていた私ですが、本気で個展用の作品を作っている方の隣で面白Tシャツを刷るのが忍びなく、予約を取るのも遠慮がちになっていました。

刷りたいアイデアが浮かぶに度に思うことはひとつ。〝家で気軽にできたらいいのになー。〟

で、ですよ。販売されたんですよ!こちらの製版機が。
今までもね、デジタル製版機って名の付くものはあったんです。ただコストやお値段や手軽さを重視すると踏み出せない部分があって。
そんな問題を一気にクリアにしたんですね。コレが。※お値段はそこそこします。他と比べてということで。

思わず熱く語ってしまいましたが、実際に使ってみましょう。
今回は、大阪EXPOの負けロゴでかっこいいTシャツを刷ります。

んー。結構自信あったんですがこのロゴ。いや、いい線までいってたと思う。ただ大阪っぽくなかっただけ。
まだ私の手中にありますので、お気に召された方はご一報ください。デザインもリユースの時代ですよ。

という訳で、初使用なのに無謀な6色刷りです。
隣あってない色はマスキングテープで隠すことを考えて、3版作ります。

専用の枠にスクリーンシートを貼ってプリンターに差し込みます。データを送ってプリンターの中心を押さえると、枠ごと吸い込まれるように出力されます。10分ほどで製版完了!アンビリーバボー!

あらかじめプリントしていたデザイン案を置いてみて刷りたい場所の見当をつけます。この時、枠の角がくる場所などに合わせて印を付けておきます。

インクの準備をします。5〜6枚刷るだけとかであれば、ターナーの布えのぐに布えのぐ専用シルクスクリーンメディウムを混ぜたもので十分だと思います。色数も豊富で混ぜて好きな色も作れるので便利ですよ。

いよいよ1色目を刷ります。版の抜けてないところに(刷りたい部分はメッシュ状の穴があいてます)インクを置いて、スキージ(刷るための道具)を動かします。矢印の向きにガーッと押さえながら進める感じです。

いい感じに刷れてますね。こんな感じで一色ずつ重ねていくのです。

2色、3色。そして、4色刷りました。

そうそう、早く刷らないとインクが乾いて目詰まりしてしまうのでスピードは大事です。普段のんびり動く私もこの時ばかりは俊敏です。

5色、6色重ねて刷って完成しました!ウッホウッホ!

そんなんUVプリンターでば〜っとTシャツにプリントしたらええんちゃうの?いや、違いますよ。奥さん。
かすれ、ズレ、色の重なりこそがシルクスクリーン印刷でしか生み出せない最高の味わいとなり、ひとつの作品となるのです。

以上、Mi Screen a4の使用レポートとシルクスクリーン愛を語る回でした。
その魅力を伝授できるよう、いずれはワークショップや出力サービスも始めようと思ってます。

〈まとめ〉
Mi Screen a4のメリット
・製版がスピーディー
・製版にかかるコストも安い(電気代、水道代、道具代など)
・コンパクトで場所をとらない。持ち運びができる。

Mi Screen a4のデメリット
・版の張りが弱いので、枚数刷るとヘタってくる。量産には向いてない。
・版の抜けてる所も抜けてない所も乳白半透明なので場所が定めにくい。

分かったこと
・6色刷り超しんどい。