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レーザーカッター

自作で非接触ドアオープナー

レーザーカッターでカットするのに今のところ一番おすすめな素材は、ずばりアクリルです。なぜかっていうと、他の素材だと縁(フチ)が焦げてしまうからです。
アクリルの場合、焦げるというより溶けるので縁が黒くならないのです。
とはいえ、レーザーの光の跳ね返りで表面も少し変色しちゃうのでアクリル板の場合、元々付いてる保護シートごとカットするのが基本です。

という訳で、本日は“非接触ドアオープナーを作ってみた”過程をご紹介します。
おっと。非接触ドアオープナーとはなんぞや?ですが、手で直接ドアノブを触らずに開けることができるアイテムです。ATMやエレベーターのボタン、つり革なども手の代わりに使うアレです。
早速、形をデザインしてベニヤ板で試作してみましたよ。

当初はアルファベットのgがいっぱいあったら面白いかもと思って、色々なフォントのgを作ってみたのですが、スタッフT(娘)に「メガネみたいなんしか要らん。」と言われたので、メガネぽいやつだけに絞ることにしました。

大きさも形もしっくりきたので、いよいよアクリル板をカット。保護シートを剥いて、面取りスクレーパー(青いやつ)でちょっとした凸凹を削ってフラットにしていきます。
はい、これで完成〜。と言いたいところですが、縁の角のシャープな感じが触った感じめっちゃ気になる…。ちなみにアクリル板では角(カド)じゃなくてバリって言います。

で、色々調べた結果、アクリル製品のバリ取りにはバレル研磨という仕上げの工程があるってことが分かりました。
バレル研磨とは、分かりやすく言うとガラガラ抽選器のようなものです。バレル(樽)の中にワーク(製品)とメディア(研磨石)とコンパウンド(研磨剤)を入れ、かきまぜた時の摩擦によって研磨するという技術です。
うまくいくか分からないけど、小さい金属(指輪とかコインとか)用の金属磨きと思われる小型のバレル研磨機を買っちゃいました。↑試運転↑

ここで苦労したのが、メディア(研磨石)を探すことです。バレル研磨は元々工場でしか行われてない技術なので、仕入れる単位が20kg〜とかなんですよ。
小さいメディア(おにぎりみたいなやつ)は少量で販売している業者さんをどうにか見つけて購入できたのですが、アクリル磨きにどうしても欲しかった竹チップを小売りしている所がどこにもなかったので、MDFパネルを小さくカットして使うことにしました。

まずはメディアにコンパウンドをコーティングさせるためにワーク(製品)は入れずに1時間ほど回しました。
馴染んだところで、ワークをいれて6時間ほどガラガラ…。タイマーが1時間がマックスなので、止まる度にまたタイマーかけての繰り返し。地道な作業です。しかも、ガラガラとまぁまぁうるさいのです。

でも、地道な作業の甲斐あって、バリが取れ滑らかな触り心地に!
もっと時間をかけて回すともっと丸みが出てくると思うのですが、家庭用ならばこれが限界。工場だと半日〜一日回し続けたりするそうです。工場のみなさま、お疲れさまです。

ただ、メディアとのぶつかり合いで艶が完全に消えてる(泣)
竹チップならツヤツヤなままなんでしょうか。竹チップを取り扱っておられる業者様、小売りを検討願います。

今回はインパクトドライバーにフェルトホイールを付けてプラスチック用研磨剤を塗って研磨仕上げ。納得いく艶が戻りました。

キーホルダーのパーツを付けて完成!赤ふち、黒ふち、べっ甲調の3カラーができました。
きっと教授ならどれでもお似合いですね♪