カテゴリー
シルクスクリーン

Mi Screenで Let’s シルクスクリーン印刷

ここ最近で「長生きしてて良かった〜。」って、本気で思ったことNo.1は、デジタル製版機のMi Screen a4(マイスクリーン エーフォー)が販売されたことです。
そんなに?いや、過言ではありません。印刷好きにとっては、待ちに待った商品なのです。

この度、アトリエ開設を機に購入することとなりましたので、その使用感のほどをご紹介します。
まず、こちらどんな商品かといいますと、シルクスクリーン印刷用の製版ができるプリンターです。

シルクスクリーン印刷とは、シルク(絹)を張ったスクリーンを通して印刷する技法です。
現代では、シルクの代わりにテトロンやナイロンの布を使用するので『スクリーンプリント』とも呼ばれています。
marimekkoの生地や市販のTシャツもほとんどがこの技法です。

一時期はその魅力にどっぷりはまり、シルクスクリーン印刷のできる工房に通いまくっていた私ですが、本気で個展用の作品を作っている方の隣で面白Tシャツを刷るのが忍びなく、予約を取るのも遠慮がちになっていました。

刷りたいアイデアが浮かぶに度に思うことはひとつ。〝家で気軽にできたらいいのになー。〟

で、ですよ。販売されたんですよ!こちらの製版機が。
今までもね、デジタル製版機って名の付くものはあったんです。ただコストやお値段や手軽さを重視すると踏み出せない部分があって。
そんな問題を一気にクリアにしたんですね。コレが。※お値段はそこそこします。他と比べてということで。

思わず熱く語ってしまいましたが、実際に使ってみましょう。
今回は、大阪EXPOの負けロゴでかっこいいTシャツを刷ります。

んー。結構自信あったんですがこのロゴ。いや、いい線までいってたと思う。ただ大阪っぽくなかっただけ。
まだ私の手中にありますので、お気に召された方はご一報ください。デザインもリユースの時代ですよ。

という訳で、初使用なのに無謀な6色刷りです。
隣あってない色はマスキングテープで隠すことを考えて、3版作ります。

専用の枠にスクリーンシートを貼ってプリンターに差し込みます。データを送ってプリンターの中心を押さえると、枠ごと吸い込まれるように出力されます。10分ほどで製版完了!アンビリーバボー!

あらかじめプリントしていたデザイン案を置いてみて刷りたい場所の見当をつけます。この時、枠の角がくる場所などに合わせて印を付けておきます。

インクの準備をします。5〜6枚刷るだけとかであれば、ターナーの布えのぐに布えのぐ専用シルクスクリーンメディウムを混ぜたもので十分だと思います。色数も豊富で混ぜて好きな色も作れるので便利ですよ。

いよいよ1色目を刷ります。版の抜けてないところに(刷りたい部分はメッシュ状の穴があいてます)インクを置いて、スキージ(刷るための道具)を動かします。矢印の向きにガーッと押さえながら進める感じです。

いい感じに刷れてますね。こんな感じで一色ずつ重ねていくのです。

2色、3色。そして、4色刷りました。

そうそう、早く刷らないとインクが乾いて目詰まりしてしまうのでスピードは大事です。普段のんびり動く私もこの時ばかりは俊敏です。

5色、6色重ねて刷って完成しました!ウッホウッホ!

そんなんUVプリンターでば〜っとTシャツにプリントしたらええんちゃうの?いや、違いますよ。奥さん。
かすれ、ズレ、色の重なりこそがシルクスクリーン印刷でしか生み出せない最高の味わいとなり、ひとつの作品となるのです。

以上、Mi Screen a4の使用レポートとシルクスクリーン愛を語る回でした。
その魅力を伝授できるよう、いずれはワークショップや出力サービスも始めようと思ってます。

〈まとめ〉
Mi Screen a4のメリット
・製版がスピーディー
・製版にかかるコストも安い(電気代、水道代、道具代など)
・コンパクトで場所をとらない。持ち運びができる。

Mi Screen a4のデメリット
・版の張りが弱いので、枚数刷るとヘタってくる。量産には向いてない。
・版の抜けてる所も抜けてない所も乳白半透明なので場所が定めにくい。

分かったこと
・6色刷り超しんどい。